歯の矯正にかかる費用は?値段相場と支払い方法について解説
このページでわかること
- Ⅰ.矯正にかかる費用の種類
- カウンセリング料
- 1-1.有料カウンセリングの相場
- 検査費用
- 2-1.検査費用の相場
- 診断料
- 3-1.診断費用の相場
- 基本料金
- 調整料
- 5-1.矯正装置による調整料の相場
- その他の費用
- 6-1.保定装置と保定装置の調整料
- 6-1-1.保定装置と保定装置調整料の相場
- 6-2.加速矯正装置
- 6-2-1.加速矯正装置の相場
- 6-3.ホワイトニング
- 6-1.保定装置と保定装置の調整料
- カウンセリング料
- Ⅱ.料金体系と支払いについて
- トータルフィー制度
- 1-1.トータルフィー制度のメリットとデメリット
- 1-2.調整料金はあった方が良いのか?
- デンタルローン
- 2-1.デンタルローンの金利手数料
- 院内分割
- 3-1.院内分割の注意点
- トータルフィー制度
歯の矯正(歯列矯正といいます)をするには、高額な費用がかかります。
そのため、気軽に矯正を始めようとはなかなかならないと思いますが、いざ矯正をしようと思って調べてみても、「いったいいくらかかるのか」「どのタイミングで支払いをするのか」といったことが、少し複雑でわかりづらいという声も多いのはないでしょうか。
矯正にかかる費用がわかりづらくなってしまうのは、治療方法ごとに料金相場が異なったり、矯正をする歯科医院によっても料金体系が異なるためだと思います。
このページでは、歯列矯正にかかる費用をわかりやすく解説していきますので、いったい「何に」「いくらお金がかかるのか」をきちんと理解してから矯正歯科を選んでいきましょう。
矯正にかかる費用の種類
まず、矯正治療で費用がかかるタイミングは、「カウンセリング」「検査」「診断」「矯正治療基本料金」「調整料」「その他」の6種類です。
これらが、矯正にかかる費用の全てです。
それぞれの内容について、以下で詳しく見ていきましょう。
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カウンセリング料
(カウンセリングとは別に初診料として請求になるパターンもあります)
無料の場合が多いのは、虫歯などがあってすぐに治療を開始できなかったり、症状によっては治療自体が難しい場合があるため、まずは気軽に相談して欲しいという意味で矯正歯科側が無料に設定してくれています。
また、矯正費用自体が高額なため、カウンセリング料を取らずともトータルで利益の計算をしているという意味もあるでしょう。
一方で、カウンセリングが有料の場合でも悪いというわけではありません。
有料の場合、時間をかけてじっくり話を聞きますというメッセージの意味で設定しているクリニックが多いです。
当然ながらカウンセリングにも人件費がかかっていますので、「費用を頂いて、きちんと専門的な知識でお話をする」ということはある意味当然のことと言えます。
また、カウンセリングの内容や技術に自信があるから有料にしている場合もあるでしょう。
少し間違った認識としては、「行列ができる矯正歯科だから有料にしている?」という声を聞くことがありますが、そのようなケースは稀であるといえます。有料カウンセリングの相場
有料カウンセリングの場合、およそ1,500円~5,000円(税抜)ほどが相場になっています。
60分あたりの料金が多いですが、一部では30分ごとの設定になっている歯科医院もあります。 何分あたりの金額なのか、複数回カウンセリングをした場合は都度カウンセリング料が発生するのかは予め確認しておきましょう。
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検査費用
矯正治療を始める前に精密検査を行いますので、その際に検査費用が発生します。
検査では、口の中の写真を取ったり、レントゲン撮影、歯の型を取るといった作業を行います。
最近では3Dスキャンを使った型取りも増えていますが、型取りの方法で検査費用は変わらないのが一般的です。
基本的に、検査費用が発生するタイミングは1回のみです。検査費用の相場
検査費用の相場は、およそ10,000円~30,000円(税抜)ほどです。
次の項目で説明する診断料とセットで記載されている場合もあります。
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診断料
診断は、検査結果をもとに文字通り診断をするステップです。
歯根の状態を診断したり、歯の模型を作成したり、システムでシミュレーションを行うなどの作業があります。
検査と診断を合わせてひとつに表記しているクリニックもありますが、厳密には、検査でキャンセル(もしくは治療不可など)になるケースもありますので、別々に料金が発生しています。
基本的に、診断料は検査費用と同じく1回のみ発生します。 -
診断費用の相場
診断料の相場は、10,000円~30,000円(税抜)ほどです。
検査費用と合わせて20,000円~60,000円ほどで収まるようなイメージを持つと良いでしょう。検査費用と
診断料のイメージ
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基本料金
一番大切なのが、矯正の基本料金です。
矯正にかかるトータルコストは、主に基本料金で決まります。基本料金とは、表側矯正、裏側矯正、マウスピース矯正などの装置ごとに設定されている料金です。
基本的に、ワイヤー矯正(表側矯正や裏側矯正など)の場合は、治療期間が長くなってしまっても基本料金は変わりません。
マウスピース矯正の場合は、枚数制限や治療期間に制限がある場合があり、その制限を超えてしまうと基本料金が追加になる可能性があります。矯正装置ごとの基本料金の相場
基本料金の相場は、矯正装置や地域で異なるのがややこしいところですが、一般的には装置が目立つものが安く、目立ちにくいものほど高くなります。
表側矯正
表側矯正の相場は、60万円~100万円程度です。 裏側矯正
裏側矯正の相場は、90万円~140万円程度です。 ハーフリンガル
ハーフリンガルとは、上の歯を裏側矯正、下の歯を表側矯正で治療する方法です。
表側矯正と裏側矯正を半分ずつ使用しますので、費用感も表側矯正と裏側矯正の間を取ったあたりが相場になります。
およそ80万円~120万円ほどと考えておくと良いでしょう。マウスピース矯正
マウスピース矯正の場合、クリニックが採用しているブランドによって価格の幅が広くなりますが、相場は60万円~140万円程度です。
インビザライン、キレイラインなどブランドによって特徴や相場も異なりますので、詳しくは別の記事で解説したいと思います。部分矯正
部分矯正とは、歯並びの一部や見える範囲のみを矯正する方法です。
部分矯正の相場は30万円~70万円程度です。
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調整料
調整料とは、矯正治療が始まってから、進捗に応じて都度装置の調整を行うための費用です。
歯科医院によっては「処置料」と言ったりもします。
ワイヤー矯正の場合は、月に1回程度来院して調整を行いますのでそのタイミングで都度調整料が発生します。
マウスピース矯正の場合は、1ヶ月~3ヶ月に1回程度の調整頻度になります。矯正装置による調整料の相場
ワイヤー矯正とマウスピース矯正では調整頻度が異なるため、ここでは分けて解説したいと思います。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正の場合、調整料の相場は4,000円~8,000円(税抜)程度になります。
一般的に、表側矯正は調整料が安く、裏側矯正になると調整料も高くなります。
月1回程度の調整が必要になりますので、年間48,000円~96,000円程度のコストになると考えておくと良いでしょう。マウスピース矯正
マウスピース矯正の場合、調整料の相場は2,000円~5,000円(税抜)程度になります。
仮に3ヶ月に1度の調整頻度と考えると、年間8,000円~20,000円程度のコストになると考えておくと良いでしょう。
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その他の費用
基本的には、これまでの項目が矯正にかかる費用のほとんどですが、歯科医院によっては一部別途になっているものやオプションの用意がある場合があります。
代表的なものは、「保定装置」「加速矯正装置」「ホワイトニング」です。保定装置と保定装置の調整料
矯正治療が完了した後に、歯並びが安定するまで「リテーナー」という保定装置をつける期間が必ずあります。
保定装置の費用は基本料金に含まれている場合と、別途となっている場合がありますので、予め確認しておきましょう。保定装置と保定装置調整料の相場
基本料金に含む場合は無料ですが、別途の場合は40,000~60,000円(税抜)程度が相場になります。
加速矯正装置
歯を動かしやすくしたり、治療期間を短くするための装置を使用することでオプション費用がかかる場合があります。
矯正用インプラント(アンカースクリューと言ったりもします)を埋め込む方法が一般的で、基本料金に含まれる場合と別途となる場合があります。
また、振動や光で歯が動きやすくする「加速矯正装置」を選択できる場合がありますが、加速矯正装置の場合は別途となる場合がほとんどです。加速矯正装置の相場
加速矯正装置の種類によって価格に幅があり、10,000円~150,000円(税抜)ほどが相場となります。
高価なものでは「オーソパルス」という加速矯正装置などが挙げられます。ホワイトニング
ホワイトニングの料金が矯正の基本料金に含まれている場合と、ホワイトニングは別途となる場合があります。
ホワイトニングには、歯科医院で行う(効果の高い)オフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがあり、矯正の基本料金に含まれている場合が多いのはホームホワイトニングです。
ホームホワイトニングでも10,000円~40,000円ほどの費用がかかりますので、矯正とセットになっている場合はお得感があります。
矯正の費用内にホワイトニングが含まれているかどうかも予め確認しておきましょう。
料金体系と支払いについて
ここまでは各料金が発生するタイミングとその相場について解説してきましたが、歯列矯正にかかる費用は支払い方法についても変わってきます。
見かけの値段が安くてもトータルコストで見ると結果的に高くなってしまう場合もありますので、正しく理解した上で、自分に合った支払い方法を選択できるようにしておきましょう。
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トータルフィー制度
トータルフィー制度とは、基本料金、毎回の調整料、保定装置の費用が全て「込み込み」になっている方式のことです。
※検査費用、診断料はトータルフィーに含まれる場合と含まれない場合がありますので注意。
調整料と保定装置の金額が追加でかからないので、仮にトータルフィー制度有りの歯科医院とトータルフィー制度でない歯科医院の基本料金が同じ場合、トータルフィー制度有りの歯科医院の方が数万円~数十万円合計費用が少なくなります。
技術や仕上がりの面ではトータルフィー制度の有り無しどちらが良いということはありません。トータルフィー制度のメリットとデメリット
メリット- 総額費用がわかりやすい
- 難しい症状の場合でも、事前にトータルコストを見積りして貰える
- 治療期間が延びてしまっても追加費用がかからない
- トータルフィー無しの歯科医院と基本料金が同じ場合、トータルコストを抑えられる
デメリット- 歯科医院によっては、治療期間が固定される可能性がある
- 事前支払いの歯科医院が多いため、何かあった際の変更が難しい場合がある
- トータルフィー制度でも症状によっては追加費用が発生する場合がある
- 歯科医院によっては治療開始前に支払いを完了させなければならない場合がある
調整料金はあった方が良いのか?
トータルフィー制度は費用がわかりやすく良い面も多いですが、調整料がかかる場合でも悪いということはなく、良い面もたくさんあります。
実際のところ、歯科医院の経営を「安定化させる」という面で見ると、調整料は非常に重要な要素になります。
なぜなら、調整料が無いとどんどん新しい患者さんを獲得していかなければ収入が入りませんので、治療途中の患者さんがピラミッド式にどんどん増える構造になりがちです。
そうなると、次第に予約が取りづらくなったり、忙しくて治療が雑になったりする可能性があります。
もちろん、そうならないようにトータルフィー制度の歯科医院も考えて経営を行いますので、一概にどちらが良いというわけではありません。
歯並び探偵としては、当サイトのコンセプト通り、あなたが何を重視するかで矯正歯科を決めて頂くのが最も良い選択だと考えています。
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デンタルローン
デンタルローンとは、歯科医院専用のローン契約のことです。
歯列矯正に限らず、インプラントの費用などもデンタルローンで支払うことが可能です。
矯正治療は高額なので、デンタルローンを用意している歯科医院も多く、まとまったお金がなくとも矯正治療を始められるというメリットがあります。
※デンタルローンを契約するには、歯科医院が提携している信販会社(セゾン、オリコなど)の審査があります。デンタルローンの金利手数料
デンタルローンを利用する場合、まずチェックしたいのが「金利手数料を誰が負担するか」です。
まず、金利手数料は支払い回数により変わりますが、年利で3.4〜8%程度が一般的です。
金利手数料は信販会社により異なり、支払い回数が多いほど金利も高くなります。
この金利手数料の負担については、- 全て患者が負担する場合
- 全て歯科医院が負担してくれる場合
- ○○回までは歯科医院で負担してくれ、残りは患者で負担する場合
の3通りがあります。
デンタルローンの
金利負担
基本的には、金利手数料は患者さん側で負担するものですが、予算が厳しい場合や少しでも安く済ませたい場合には、金利手数料の負担がある歯科医院を探してみてはいかがでしょうか。
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院内分割
院内分割とは、歯科医院と患者とで分割での支払いを約束する方法です。
デンタルローンとは違って審査や金利手数料が無いので、患者さん側にはメリットが大きい制度になります。
支払い方法は、歯科医院で直接支払うか、銀行振り込みになる場合がほとんどです。
院内分割制度があるかどうかと、分割可能な回数は歯科医院によって異なりますので、気になる歯科医院があれば歯並び探偵のサイト上でチェックしてみてください。院内分割の注意点
院内分割は、歯科医院と患者さんとの信頼関係で成り立つ制度です。
支払いの遅延などがあると歯科医院側も気持ち良く治療ができませんので、利用する場合は支払いを怠らないようにしましょう。
どうしても支払いが厳しくなってしまった場合は、誠意を持って歯科医院に相談されることをおすすめします。
信販会社とは違ってクレジットカードが止まったりすることはありませんが、支払いを怠ると治療が止まったり、裁判や詐欺罪に問われることもあります。
無理なく支払いができるかどうか、よく考えてから契約するようにしましょう。