矯正歯科の選び方
このページでわかること
歯は一生ものと言うように、歯列矯正はほとんどの人が人生で1回しか行いません。
  治療費も高額なので、患者さんにとっては大きな決断となります。
  そのため、矯正歯科選びはとても大切な作業になりますが、ほとんどの方が最初で最後の矯正歯科選びになるので、どのように探せば良いのかが難しいところです。
  歯並び探偵は、そのような方のための情報提供サイトですのでぜひご参考にして頂きたいところですが、このページではあくまで客観的に、矯正歯科を選ぶ際の重要ポイントについて解説していきます。
  「絶対に選んではいけない矯正歯科のNGポイント」も合わせて解説していますので、ぜひご覧ください。  
矯正歯科選びのチェックポイント
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    「矯正治療は高額だし、歯医者は医療機関だからどこもちゃんとしてるだろう」と思いがちですが、残念ながら矯正治療ではトラブルも多いのが現状です。 
 適当に歯医者を選んでしまうと、歯並びが綺麗にならなかったり噛み合わせが前より悪くなったりという問題に巻き込まれる可能性があります。
 よく注意して矯正歯科を探してみましょう。
 では、具体的にどのような点についてチェックするのが良いでしょうか?
 結論、以下に当てはまるかどうかで、矯正歯科を選ぶことがおすすめです。絶対にNGなポイント- 矯正医がほとんど出て来ない
- 噛み合わせへの意識が薄い
- 衛生的でない
 大切なポイント- 得意不得意がはっきりしている
- 矯正歯科学会の認定医以上
- デメリットの説明が丁寧
- 緊急対応と予約のとりやすさ
- 治療機関と料金の妥当性
 
絶対にNGなポイント
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 矯正医がほとんど出て来ない残念なことに、一部の矯正歯科では矯正医があまり治療に関与せず、衛生士さんをメインに進めてしまっている場合があります。 
 ※矯正医の指示のもとに衛生士さんが作業を行うのは自然なことです。矯正治療は、歯医者さんなら誰でもできるわけではなく、専門の技術や経験を持った矯正医が行う治療です。 
 矯正医は、最初に治療計画を立て、毎回の調整時に治療が計画通りに進んでいるか、ズレが生じている場合はどのように修正するかを都度考えていく必要があります。
 そのため、矯正医が関わらずに治療が進んでしまっては、きちんとした仕上がりになるか不安があります。
 矯正医が表に出てこない歯科医院の場合、多忙や人件費、回転率など経営上の様々な理由が考えられますが、患者さん目線としてはあまりおすすめできません。※「矯正医が直接作業しなければならない」という意味ではありませんので、その点はご注意ください。 
 矯正医が治療経過をきちんと確認してくれる歯科医院を選びましょう。
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 噛み合わせへの意識が薄い「歯列矯正は歯並びを綺麗にするもの」と思われがちですが、これは半分正解で半分は間違いです。 
 歯列矯正は、歯並びを綺麗にすることと噛み合わせを整えることの2つが目的になります。
 「歯並びが綺麗になれば自然と噛み合わせも良くなるのでは?」と考える方も多いと思いますが、実際のアプローチは全く異なります。
 歯並びを綺麗にする=美容面
 噛み合わせを整える=機能面
 と例えると、目的が全く異なるのがわかりやすいのではないでしょうか。そして、歯並びを綺麗にすることだけをアピールしている矯正歯科には注意が必要です。 
 多くの患者さんは歯並びを綺麗にすることの方に興味がありますので、矯正歯科側も通って貰えるように美容面のみで話を進めがちです。
 結果、「ただ歯を並べる」だけの治療になり、噛み合わせが悪くなるといったトラブルに繋がる恐れがあります。
 このようなトラブルを防ぐために、カウンセリングでは歯科医師から噛み合わせについてのコメントがあるかどうかはよくチェックしてみてください。
 近年、経験の少ない歯科医師でも治療しやすい機器が流通してきた反面、この噛み合わせの問題が多くなってきている印象があります。
 歯科医師の描くゴールが、見た目の美しさと噛み合わせの両方が考えられているのであれば、それは良い矯正歯科である可能性が高いです。
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 衛生的でない歯科医院にとって、衛生面の徹底は当然のことです。 
 滅菌や消毒をしっかりと行うことはもちろんですが、衛生面を徹底できない歯科医院は治療も雑になったりする傾向にあると感じます。
 しかし、患者さんにとって歯科医院内で滅菌や消毒がしっかりされているかをチェックするのは難しいところがあります。
 そのため、衛生面をチェックするのにおすすめなのがトイレやうがいをする部分など水回りを見てみることです。
 建物や設備が新しいか古いかという話ではなく、毎日使われる細かい部分が手入れされているところは、衛生環境も整っていると思われます。
 他にも「ほこりが溜まっている」「院内ポスターが破れている」など、気になるシグナルが出ていないかチェックしてみてください。
大切なポイント
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 得意不得意がはっきりしている歯並びは人それぞれで、その人ごとに適した治療方法があります。 
 また、医院側にも得意な治療や苦手な(もしくは得意というほどではない)治療方法があります。
 このふたつが合致することで良い仕上がりになる可能性が高いため、ホームページなどでその歯科医院が何を得意としているのかをよくチェックしてみましょう。しかし、これから矯正を始めたい方が自分に適した治療方法を判断することは難しいと思います。 
 そのような場合、まずはいくつかの歯科医院でカウンセリングを受けてみることがおすすめです。
 複数の矯正医が見れば、自分に合った矯正方法は何かがある程度クリアになるはずです。
 その上で、例えば自分には抜歯が必要とアドバイスされ、良いなと思っている歯科医院が非抜歯を特徴としているなら、その歯科医院は自分には向いていないかもしれません。必ずしもこのように合致させなければならないわけではありませんが、矯正歯科選びのひとつの目安としてみると良いでしょう。 
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 矯正歯科学会の認定医以上矯正歯科選びで最もわかりやすく最もベターな方法が、矯正歯科学会の「認定医」以上の資格を持った医師がいるかどうかを見てみることです。 
 矯正歯科学会の認定医以上の資格を得るには、学会が定めている一定の基準をクリアする必要がありますので、「認定医以上の矯正医=知識や技術が保証されている」ということになります。
 認定医以上というのは、認定医の上には専門医の資格があります。
 専門医になるには経験年数のハードルなどがありますので、必ずしも専門医を選ばなくても構いません。
 大切なのは、院長先生が認定医以上かどうかではなく、あくまで担当してくれる矯正医がどうかを見ることです。また、あまり知られていませんが、院長が矯正歯科学会に所属している場合、矯正歯科学会からホームページの訴求内容について「誇大広告がないか」「誤解を招く表現が無いか」といったチェックが入ります。 
 逆にいうと、矯正歯科学会に所属していない矯正歯科のホームページでは良い面だけを訴求したり、誇大な表現などがある場合があります。
 矯正歯科学会に所属している矯正歯科は全て誇大表現が無いというわけではありませんが、こういった面においてもひとつの目安になるかもしれません。
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 デメリットの説明が丁寧矯正治療はあくまで医療行為ですので、想定されるデメリットがある場合には説明責任があります。 
 そして、治療をする上で想定されるデメリットが何もないということは基本的にありえませんので、デメリットの説明が無い、もしくは簡単に済まされるような歯科医院には注意が必要です。
 具体的に、極端な安さや早さ(矯正期間の短さ)、抜歯or非抜歯といった部分については要チェックです。
 なぜ安いのか(装置に理由があるのか、治療方法に理由があるのか)、
 なぜ抜歯するのか、なぜ非抜歯でも良いのか、
 理由とメリット・デメリットを良く聞いてみましょう。
 正しいかどうかではなく、担当の矯正医がどこまで向き合ってくれるかどうかが大切です。生活に支障のある症状を除き、無理に矯正を勧めない姿勢があるクリニックは信頼がおけるかもしれません。 
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 緊急対応と予約のとりやすさ矯正治療をしていると、ブラケットなどの装置が外れてしまったりすることがよくあります。 
 矯正治療は基本的に1ヶ月ごとの通院になりますが、次の予約日までそのままにはしておけません。
 そのため、装置が外れてしまった場合には歯科医院に連絡して緊急対応をして貰うことになりますが、歯科医院によっては予約が取れずに対応が遅くなってしまう場合があります。
 対応が遅れてしまうと、治療が遅れたり痛みやズレが生じる可能性がありますので、緊急対応のスムーズさというのは実は大切なポイントです。
 予約が取りにくい歯科医院でも緊急対応は優先してくれるところは多いので、必ずしも予約のとりやすさで見る必要はありません。
 契約前に、装置が外れた場合の流れについて質問してみることで、緊急対応についての体制がわかると思います。
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 治療期間と料金の妥当性歯列矯正は、長い期間がかかる治療です。 
 ※矯正治療に期間がかかる理由については、こちらで詳しく解説しています。
 歯が動く仕組みしかるべき理由があって長い期間を必要としていますので、短い期間で終わるといううたい文句に乗ってしまうと、結果的に治療期間が延び、料金も想定よりかかってしまう可能性がありますので注意が必要です。 
 また、極端に安い金額の場合、コスト削減のために調整の回数が少なかったり、治療期間が延びて追加費用がかかったりする場合があります。
 つまり、大切なのは治療期間と料金の妥当性です。
 一般的な相場よりも特別に早くて安いような治療を提示されるようであれば、それはなぜなのをよく確認してみましょう。
矯正歯科の選び方まとめ
いかがでしたでしょうか?
  結論、誰にとっても最高の矯正歯科というものは存在しません。
  選び方の基準は人それぞれですが、もし矯正歯科のどこを見て選べば良いかわからないという場合には、このページで挙げたポイントをチェックしてみてください。
  全ての条件をクリアしているかどうかではなく、このポイントを踏まえた上でその矯正歯科に信頼感があるか、フィーリングが合うかどうかが重要です。
  治療結果がどうなるかは矯正歯科と患者さんとの問題ですが、どの矯正歯科を選ぶのかは患者さん自信の責任です。
  あなたに合った矯正歯科、あなたが選んで後悔しない矯正歯科を探しましょう。